食品サンプルを仕事にしたい人が、教室受講の前に考えるべき事

この記事は「食品サンプルで起業したい」「食品サンプルを仕事にしたい」

そのために「技術を習得出来る教室を探している」そんな方に向けて書かれています。

近年のハンドメイドブームと起業ブームの影響か、「職業として食品サンプルを作りたい」「技術を習得して起業したい」なんて本気の相談をよくされます。

ですが相談者の方は「食品サンプルが好きなんです」と言うだけで、技術、販売、資金の事はまったく考えておらず、あまりにも考えが安易で驚かされます。

これは「テレビで見る食品サンプルと食品サンプル職人」の影響が大きいのと、食品サンプル(製造販売業)がどう言った商売なのか、あまり情報が無いのが理由と思われます。

そこで、未経験から2週間の修行で海外起業して18年、食品サンプル制作を職業とし、また食品サンプルアーティストとしても活動してきた経験を元に、「食品サンプルを仕事にしたい人が、教室を受講する前に考えてほしい5つのこと」を紹介します。

「食品サンプルを仕事にしたい」と本気で考えているのであれば、必ず参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。^^

(食品サンプル屋さんに「就職したい」ひと向けではありません)

【売ることはできますか?】

「食品サンプルを仕事にしたい」 人の多くが、「技術があれば後は何とかなる」と考えています。

なぜなのか、食品サンプルを作れば売れる「技術=売り上げ」と考えているようです。

しかし、当たり前ですが、作ればあとは勝手に売れていくなんて事はありません。

あなたの作る食品サンプルが、お客さんに圧倒的な利益をもたらす事ができるのであれば、作れば勝手に売れるかもしれませんが、そうでなければ、あなたは作った食品サンプルを自分で売らなくてはなりません。

あなたにはあなたが作ったものを、販売するだけの営業力、営業ノウハウはありますか?

(キーホルダーを数十個、HPで売っても商売としては成り立ちません)

【なぜあなたの食品サンプルを買ってもらえるのだろうか?】

あなたが食品サンプルを仕事にした場合、ライバルとなるのは数十年の経験、実績、技術、資本、顧客をもっている他社の食品サンプル屋さんです。

なぜあなたは、そんな他社の食品サンプル屋さんに負けずに、あなたの作った食品サンプルをお客さんに買ってもらう事ができるのでしょうか?

仕事にするには、売って利益を出さなくてはなりません。

経験、実績、技術、資本、顧客すべてで大きく勝るライバルがたくさんいる中で、なぜあなたの食品サンプルは買ってもらえるのでしょうか?

【売れなくても作り続ける事が出来ますか?】

食品サンプルを仕事にしたとしても、利益が出て、商売として成り立つようになるには、誰でもそれなりに時間がかかります。

当たり前です。技術を覚えただけで、いきなりすごい商品が作れて、売れるなんて言うのはありません。

教室で技術習って、あなたがお手軽に作った商品が売れると思いますか?

あなたが簡単に作れるようなものは、他の人も簡単に作れます。

そんなものに価値が生まれるはずがありませんし、売れるようなこともありません。

(たまに間違って売れるかもしれませんが・・・・)

あなたは他の人が作れないようなものを作れる様になるまで、売れなくても作り続ける事が出来ますか?

利益が出なくても、技術を高めるために作り続けることができますか?

※ちなみに、私が中国で起業した時、最初の一年は8時~24時の週休半日で作り続け、それでも、売れる物が作れない、作った物が売れないで、利益が出るまで3年かかりました。^^;

【好きならまずは趣味の制作を始める】

「食品サンプルを仕事にしたい」 という人には、とりあえず「趣味の制作をベースに、教室の運営、作品の販売を行っていけば、売り上げやノルマなど心配せず、自分の作りたい時に作りたい食品サンプルを作れるし、お小遣い程度だけれど、利益を出す事も出来ます」と趣味の制作をおすすめしています。

大きなリスクも無く、食品サンプルで利益を得るという体験ができますし、商売として成り立たせるというのが、どう言った事なのかも体験できるからです。

趣味の制作であれば工場や設備がなくても始められますし、製造業、モノ作りの厳しさ大変さも理解できるようになるはずです。

あなたの「食品サンプルを仕事にしたい」理由が、「食品サンプルが好き」であれば、とりあえずお金のこと置いておいて、趣味の制作をはじめてみる、そして、その後、そこから利益を出す事が出来るのか、商売と成り立たせる見込みはあるのか考えてみてはどうでしょうか?

【ゼロから始めて商売として成立させるには】

食品サンプルは業種として今後、良くて現状維持、市場が大きくなっていく成長業種ではありません。

そんな、食品サンプル屋でも商売として始めようとすると、とりあえず、製造場所、材料在庫、加工設備、製造技術、営業力、この5つが必要です。

これがどれくらい大変なのかは、飲食店を開店する事をイメージしてもらうと、よく分かります。

たとえば、飲食店を開店する場合、店舗を借りて、材料を仕入れて、調理器具・テーブルイスを設置して、調理技術を習得して、チラシ・HPなど販促活動します。

あなたが食品サンプルを仕事して始めるには、これと同じような事をしなくてはなりません。

しかも、開店させるのが目的ではなく、繁盛させることが目的です。

面白そうな仕事を探しての食品サンプル制作なのであれば、きっと続けて行くことはできません。

儲かる仕事を探しているのであれば、食品サンプルよりも効率良く利益を出す事ができる仕事は、たくさんあると思います。

今、あなたがゼロから始めて、食品サンプルを商売として成立させるには、どれくらい大変なのかもっとよく考えてみて下さい。

◆まとめ

いろいろと偉そうに書きましたが、現実として自分の作るものでお金を稼ぐというのはそんなに簡単なことではありません。

仕事として食品サンプルを制作し、楽しく継続していくためにも、しっかりと準備、心構えを整えておくことが大切ですね。

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